ニュース
行事・CPD案内
ガイアパラダイム・技術士東北
一分間で読める科学・技術の話
アーカイブズ
ウェブリンク集
411.人体「腸」の話から   2018年9月19日

 NHKスペシャル「人体:腸」は非常に面白かった。腸は単なるうんちの管ではない。腸が「腸内細菌」と「免疫細胞」を操って万病と戦う力を有しているという。成人の腸の長さは約8.5m、その表面積は32平方メートル畳20畳分にもなる。腸の内壁には微小突起のじゅう毛がびっしりと並んでいる。ここには毛細血管が通っていて、吸収された栄養などが血管を通して全身に運ばれる。じゅう毛の内部には大量の免疫細胞があり、腸内壁から入ってきた病原菌やウイルスなどを退治する。ヒトの免疫細胞は全身に2兆個もあるが、その7割は腸にある。つまり腸の重要な仕事は「免疫をつかさどる」ことでもある。ただこの免疫細胞が暴走してしまうことがあり、するとアレルギー症状が発生する。これは本来敵ではない細胞を仲間に攻撃させてしまうことによる。最近特に「腸内フローラ」が話題になっている。腸の中にはおよそ100兆個もの腸内細菌が住んでいる。大事なのはその「種類」と「数」だという。特定の腸内細菌(例えばクロストリジウム菌)が少ないと、アレルギーを発症しやすいらしい。免疫の暴走を抑えるブレーキ役のTレグが、腸内細菌で生み出されているらしい。日本人は古来、食物繊維を多くとり続けて良質の腸内細菌を育ててきた。しかし最近ではそこに変化が起きている。

410.日本の巨大仏   2018年9月1日

 鎌倉の大仏は高さ13m、奈良の大仏は高さ18m。日本国内にはこれらを超える巨大仏がいくつもあることをテレビで紹介していた。

(1)仙台市内にある「仙台大観音」は高さ100m、1991年に実業家が13億円をかけて建立した。内部にはエレベーターもあって高さ68mの位置に展望台もある。

(2)札幌の佛願寺には「札幌涅槃大仏」長さ45mがある。涅槃仏としては日本最大。1988年函館にあるテーマパークの名物オブジェとして作られたが、やがて廃墟になった。そこで佛願寺がこれを引き取った。200個のパーツに分解してトラックで運んだ。

(3)日本一を誇るのが茨城県の「牛久大仏」高さ120mである。構想から10年をかけて1992年に完成した。いったん10分の1サイズミニチュアを作り、それを参考に6000枚もの銅板をつくり、基体の鉄骨体に取り付けていく方法で建立された。左手の重さだけで16トンあるという。ブロンズ立像としては世界最大。

(4)淡路島には「世界平和大観音」高さ100mがある。1977年に島出身の実業家が建立したが、現在は廃墟になっている。撤去にも億単位の費用がかかるため手つかず状態。

409.「ああ上野駅」   2018年8月29日

 東京の北の玄関口「上野駅」は開業130年になる。東京駅よりもずっと古い。上野駅といえば、1964年に発売されて大ヒットした伊沢八郎の「ああ上野駅」が思い出される。「どこかに故郷のかおりをのせて 入る列車のなつかしさ 上野はおいらの心の駅だ くじけちゃならない人生が あの日ここから始まった」「就職列車にゆられて着いた 遠いあの日を思い出す 上野はおいらの心の駅だ 配達帰りの自転車を とめて聞いてる国なまり」。高度経済成長の1950~1960年代を中心に、地方の中学校を卒業した生徒たちは、「金の卵」ともてはやされ、引率されて集団で列車に乗って上野駅に着いた。そして人手不足だった都市部の中小企業や零細企業や商店などで働いた。NHK朝ドラ「ひよっこ」にも出てきた風景である。当時首都圏に就職した中卒者は40万人とされる。田中角栄も中卒15歳で郷里新潟を出て、上野駅に降りてここからそのスタートをきった。

408.仙台城   2018年8月28日

 1600年関ヶ原の戦いの直後に伊達政宗が築城し、その後明治になるまで伊達家代々の居城となっていたのが「仙台城」である。青葉山に築かれたことから「青葉城」とも呼ばれ、ヒット曲の「青葉城恋歌」でも知られる。城は標高約200mの青葉山に築かれたが、ここは北から東にかけて蛇行する広瀬川に守られ、特に東側はそそり立つ断崖である。南には竜の口渓谷があり、西は山林でここに水源を確保した。政宗のつくった本丸は、5基のやぐらで守られており天守は築かれなかった。本丸大広間は約430畳にもなる武家御殿建築だった。二代目忠宗になって北西側に二の丸が造営され、藩政の中心は本丸から二の丸に移った。明治の大火や太平洋戦争空襲で、当時国宝だった「大手門」「脇やぐら」などが消失した。現在は昭和42年に再建された大手門の脇やぐらのみが見られる。本丸北壁には切石積みの巨大な石垣を見ることができる。

407.人工知能AI   2018年8月25日

 人工知能AIを利用した商品やサービスが次々と生み出されている。AIはArtificial Intelligenceの略であり、膨大なデータをもとに人間の能力をはるかに超える速度で答えを出すことを可能にする。AIが注目されるきっかけを生んだのは、コンピューターが大量のデータを読み込んで自ら知識を得る「機械学習」の技術である。2011年にまず、米IBMのワトソンがテレビのクイズ番組でクイズ王に勝利して注目された。2016年には「アルファ碁」が囲碁の世界トップ棋士を破った、人間の脳をモデルにした「深層学習(ディープラーニング)を使うことで人間が教えずに済むようになった。IBMのワトソンは、医療への応用でも成果を挙げている。2016年に急性骨髄性白血病患者の「原因となる遺伝子変異」を約10分で突き止めた。ワトソンは2000万本以上の医学論文や薬の特許情報データを学習している。例えば大量のデータを扱う金融業証券業は、AIとの親和性が高いとされ活用が進む。客への電話応対業務では音声認識のAIが使われ、開発が進む自動運転でもクルマ周辺の膨大な画像情報を処理できるAIは欠かせない。米ラスベガスで最近開かれた家電や情報通信の世界最大級見本市CESにおいても、今年の主役は人工知能AIである。

406.ヒトの寿命   2018年8月22日

 1963年時点で153人しかいなかった日本の100歳以上人口は、2017年には6万7824人まで増えた。政府の人口統計によれば、2015年に50歳だった人の10人に一人は100歳まで生きる。日本の100歳以上人口は、2050年には50万人に達するという予測がある。記録上で最も長生きしたのは、1997年に122歳で亡くなったフランス人のカルマンさんとされる。「遺伝的に定められた人間の寿命」は55歳程度だという意見がある。55歳以降の人生は、公衆衛生や栄養状態の劇的な改善と医学の発展という「文明がもたらした生」といえる。かつては「めでたい」とされた長寿だが、現在では「長生きリスク」も指摘される。日本では65歳以上の人のうち男性の13%、女性の21%が一人で暮らしている。人数で592万人である。今後「孤独死」が問題になるといわれている。また高齢者の生活を支える公的年金は、少子高齢化が進行する中で将来の年金額が大幅に減るのではないかとの不安もある。

405.人体と骨   2018年8月19日

 骨は単に体を支える骨格にすぎないと思っていたら大間違いである。骨はカチコチのカルシウムの固まりではなく、その中はスキマだらけで骨を構成する細胞たちが活動している。人体にはほぼ200個の骨がある。人体の骨量が下がると骨はスカスカになり骨折しやすくなるが、他にも全身の老化が進んでしまうという可能性が指摘されている。骨はその内部で常につくり替えが行われているが、体内の骨量をコントロールしているのは骨が出すメッセージ物質である。骨が出すメッセージ物質は、記憶力に関係するし免疫力にも関係するので、骨は若さをつかさどる重要なものといえる。骨には衝撃を検知するセンサがあり、骨に衝撃を与える(運動など)によって健康が維持される。私たちは活動的に動いていることが重要で、これは進化の中で活動的な固体を生き残らせるためと考えられる。現代人は一日の大半を椅子に座って過ごすようになり、非活動的になってきた。

404.脂肪、筋肉、メタボ   2018年8月16日

 動物の体に備わっている「脂肪」と「筋肉」。人間の場合、体重の約7割を脂肪と筋肉が占めている。体内の脂肪細胞は、大きさ0.1ミリほどの丸い細胞である。一部に核をもちアブラを貯める油滴という袋から成る。脂肪細胞は血管からしみ出した糖やアブラを取り込んで貯めていく。この脂肪細胞は食欲を抑えるメッセージ物質であるレプチンを出しており、それが脳に届いて私たちの食欲をコントロールしている。肥満は世界中で6億人以上といわれる。日本でも糖尿病の人が1000万人に達したとされる。生物の進化において「肥満」を経験しているのは人間だけである。現在は人体として想定されていなかった状態になっている。私たちの体は「動く」ことを前提につくられている。それなのに食べ物は満ちあふれ、体を動かす必要がなくなっている。メタボになると多くの病気を招いてしまう。メタボの脂肪細胞が誤ったメッセージ物質を発して、免疫の暴走が起こるためとされる。筋肉を動かすことでこうした状況を防止できるらしい。

403.ヒトとイヌの歴史   2018年8月13日

 今年2018年は戌(イヌ)年である。犬は人類の祖先が最初に飼いならした動物である。犬の直系の祖先はオオカミであり、今でも犬の遺伝子の98.8%はオオカミと同じである。1万2000年前に最古の犬が人間と暮らすようになった。人間は犬に番犬としての働きを求め、犬は食料と安全を得ることができた。こうして人間は本来野生の動物を利用することを覚えた。8000年前になると犬の進化に人間が手を加えるようになった。そうして何世代もかけて狩りをする猟犬をつくりだした。またカナディアンエスキモードッグはそりを引くために育てられた種類である。犬ぞりを用いることで人類は雪上や氷上を大きく移動できるようになった。さらに牧畜に活用する犬をつくり出す。例えばボーダーコリーは、牛や羊などの家畜の群れを、守り移動させ集合させる能力を備えた。かしこい犬を選んで品種改良していったのである。2000年前以降、単なる働き手ではない新しい活用法が生み出された。愛情深い仲間にした(ペットにした)のである。そこで品種改良により犬種が増えていった。現在では世界中で5億匹もの犬が飼われており、犬種は400を超えるようになった。

402.月に水はあるか   2018年8月11日

 1969年に人類で初めて月に着陸した米国のアポロ計画は、1972年までに計6回着陸した。石を持ち帰って調べたが、当時の分析では月に水はありそうにないとの結果だった。しかし最近月の南極や北極に水があることを示すデータが見つかってきた。1994年に米国が月に送った探査機「クレメンタイン」が最初に月の水をかぎつけた。氷のような状態で水があることを示す反応があったという。米国、ロシア、欧州、中国は、2020年代前半に月の極域に探査機を送り、水の無人探査をする予定という。日本のJAXAも同様の探査をめざしている。米航空宇宙局NASAは、北極だけで約6億トンの水があると推計している。この水を電気分解すれば、ロケットの離着陸に必要な酸素と水素燃料が得られる。月探査で日本が注目されたのは、2007年に打ち上げた探査機「かぐや」が、全長約50キロに及ぶ地下空洞の発見などの成果である。だが月面着陸は、2013年に中国が着陸に成功して先を越された。