日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

402.月に水はあるか

 1969年に人類で初めて月に着陸した米国のアポロ計画は、1972年までに計6回着陸した。石を持ち帰って調べたが、当時の分析では月に水はありそうにないとの結果だった。しかし最近月の南極や北極に水があることを示すデータが見つかってきた。1994年に米国が月に送った探査機「クレメンタイン」が最初に月の水をかぎつけた。氷のような状態で水があることを示す反応があったという。米国、ロシア、欧州、中国は、2020年代前半に月の極域に探査機を送り、水の無人探査をする予定という。日本のJAXAも同様の探査をめざしている。米航空宇宙局NASAは、北極だけで約6億トンの水があると推計している。この水を電気分解すれば、ロケットの離着陸に必要な酸素と水素燃料が得られる。月探査で日本が注目されたのは、2007年に打ち上げた探査機「かぐや」が、全長約50キロに及ぶ地下空洞の発見などの成果である。だが月面着陸は、2013年に中国が着陸に成功して先を越された。