日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

407.人工知能AI

 人工知能AIを利用した商品やサービスが次々と生み出されている。AIはArtificial Intelligenceの略であり、膨大なデータをもとに人間の能力をはるかに超える速度で答えを出すことを可能にする。AIが注目されるきっかけを生んだのは、コンピューターが大量のデータを読み込んで自ら知識を得る「機械学習」の技術である。2011年にまず、米IBMのワトソンがテレビのクイズ番組でクイズ王に勝利して注目された。2016年には「アルファ碁」が囲碁の世界トップ棋士を破った、人間の脳をモデルにした「深層学習(ディープラーニング)を使うことで人間が教えずに済むようになった。IBMのワトソンは、医療への応用でも成果を挙げている。2016年に急性骨髄性白血病患者の「原因となる遺伝子変異」を約10分で突き止めた。ワトソンは2000万本以上の医学論文や薬の特許情報データを学習している。例えば大量のデータを扱う金融業証券業は、AIとの親和性が高いとされ活用が進む。客への電話応対業務では音声認識のAIが使われ、開発が進む自動運転でもクルマ周辺の膨大な画像情報を処理できるAIは欠かせない。米ラスベガスで最近開かれた家電や情報通信の世界最大級見本市CESにおいても、今年の主役は人工知能AIである。