日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

597.御木本幸吉と真珠養殖

 「ミキモト」創業者の御木本幸吉が、世界で初めて真珠の養殖に成功してから120年を超える。三重県志摩にある養殖場に、いかだを組んで育てているのは「アコヤ貝」である。2~3年目の貝を引き上げ、内側の一部をメスで開いて小さく切った貝の細胞片と球状の核を挿入する。一つの貝に核は1~2個。貝は再び海に戻され、核の周りに薄い層を形成しながら育つ。層は何千枚も重なっていく。翌年の年の瀬に貝を引き上げると貝の中に真珠ができている。この真珠は選別され工場で加工されてアクセサリーなどになる。御木本幸吉は1858年三重県に生まれる。やがて海産物商人になる。当時は海女がとる天然の真珠が高値で取引されていた。そこで1890年に真珠養殖の実験を開始する。何度やってもうまくいかずに苦労するが、1893年に世界で初めて半円真珠の養殖に成功し、その後真円真珠に成功。1896年に養殖法の特許を取得し、1899年東京銀座にみきもと真珠店を開設する。1937年パリ万博に出品して高い評価を受ける。