日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

574.「がん」とは何か?

 通常私たちの体を構成する細胞は、増え過ぎないように適切に制御されている。その制御が効かなくなり無秩序に増え続けてできた細胞のかたまりが「腫瘍(しゅよう)」である。腫瘍には良性と悪性があり、悪性腫瘍は血液やリンパ液を介して全身に移動でき、移動先の臓器でも増え続ける。これが「転移」である。こうした悪性腫瘍に加えて、血液細胞が無秩序に増殖する白血病などを合わせたものが「がん」である。細胞が増え過ぎないように制御している遺伝子に、変化が起こると細胞は増え続けてしまう。これが「がん」の原因であり、がんは遺伝子に変化が起きた細胞の病気である。現在のがん治療は大きく3種ある。(1)手術療法、(2)放射線療法、(3)化学(薬物)療法。新たな治療法として注目されているのが、がんの遺伝子を調べ遺伝子に合わせた薬を使う方法である。それが「分子標的薬」であり、がん細胞だけに存在する異常なたんぱく質にターゲットを絞るもの。2019.06.15