日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

572.発酵食品大国、日本

 今「塩こうじ」や「甘酒」が人気らしい。日本は発酵食品大国であり、その種類は世界一と言える。大昔の人々が「腐っているかもしれないけどいい匂いがするから食べてみよう」というチャレンジから始まったのだろう。日本の発酵食品の秘密は「こうじ」にある。「ニホンコウジカビ」というのは日本にしかいない微生物である。これは非常に扱いが難しい。この微生物の力を借りて時間をかけて、日本酒や味噌やしょうゆなど食品をつくる文化がつくられた。1300年前奈良時代の播磨国風土記に、神様にそなえた蒸した米にカビが生えそれを用いてお酒をつくったとの記述があるらしい。謎の発酵食品と言われるのが「ふぐの子」である。金沢で江戸時代から奇跡の食品といわれてきた。猛毒をもつふぐの卵巣を、発酵させることで食べることが可能な食品にしている。そのやり方は江戸時代から一切変えていない。そして毒がなくなるメカニズムは今も不明だ。日本全国に多種多様な「○○漬け」があり、微生物の力でおいしくなり保存可能になる。