日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

567.肺呼吸とえら呼吸

 哺乳類などは「肺呼吸」をしていて、水中にいる魚類などは「えら呼吸」をしている。人間の場合鼻や口から入った空気は、100万本以上に枝分かれした気管支を通り多数の肺胞に到達する。肺は左右に2個あってそこに3億個もの肺胞がある。その表面積合計は70~100平方メートルにもなるという。各肺胞の周りを毛細血管がとり囲んでいて、両者の間にある薄い膜を通して肺胞内部から毛細血管へは酸素が移動し、毛細血管から肺胞へは二酸化炭素が移動する。酸素は血液によって全身に運ばれる。魚類の場合も、同様に「えら」を使って水中の酸素を取り込み、二酸化炭素を排出している。「えら」には無数の微細な「ひだ」があり、ここで水中の酸素を毛細血管に取り込み、二酸化炭素を排出している。そしてすばらしいのは水の流れを一方向にしている点で、哺乳類のように吸ったり吐いたりはしない。ただし水中の酸素量は少ない。魚類の場合陸上の哺乳類などに比べて少ない酸素量ですむ。哺乳類などは「体温を維持すること」や「重力に耐えて体を移動させること」などに多くの酸素を使う。人間の場合は「脳」で大量の酸素を消費する。2019.06.05