日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

551.黄金の国 「ジパング」

 700年前日本は「黄金の国ジパング」と呼ばれた。日本最古の黄金製品は、有名な国宝「金印」であるが、これは中国の皇帝から送られたもの。天変地異が続いたことから聖武天皇は、743年に黄金で輝く大仏の建立を命じた。こうしてつくられたのが奈良の大仏である。そのためには60キロの黄金が必要だったが当時「金」は全て輸入品だった。そんなとき「みちのく」で金が見つかったという知らせが都に入る。宮城県の涌谷町で砂金が発見されたのだ。ここで大仏建立時に13キロがとれた。さらに各地で金が見つかるようになり、結果的に輝く大仏は建立された。特に奥州は金の一大産地だった。平安の終わりに藤原清衡は中尊寺金色堂を建立する。ここでは30キロもの金箔が使われた。戦国時代になると各地で金がみつかるようになり、ゴールドラッシュになる。年間2トンもの金がとれた。この金山を支配して金を獲得したものは権力をも獲得した。秀吉は100キロの金を使って「黄金の茶室」をつくった。徳川時代に金は貨幣として流通する。大判小判である。2019.05.03