日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

550.カイコ(蚕)の一生

 カイコはチョウやガと同じ仲間の昆虫である。東アジアに生息していたクワコという虫を品種改良し、5000年前に中国で家畜化されたもの、それがカイコである。カイコは人間によって、絹糸をとるという目的に特化して改良され飼育されてきた。カイコはカイコガの幼虫であり、卵⇒幼虫⇒さなぎ⇒成虫と形を変える。幼虫はそのままでは大きくなれないので4回の脱皮を通して成長する。幼虫は4回目の脱皮をした後、まゆをつくる。糸を吐いて自分の体を包み、2日かけてまゆをつくる。このまゆの中で幼虫はさなぎになるが、人間がまゆをお湯に入れて加熱してしまうので幼虫は死んでしまう。カイコにはエサを食べる口と糸を吐く口の二つの口がある。カイコは桑の葉を食べて絹糸腺という器官で、絹のもとになるたんぱく質をつくる。中国や日本はある時代絹糸を輸出して大きな利益を得ていた。