日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

547.東京丸の内開発

 東京では、平成になってから100m以上の高さの建物(高層ビル)が、313棟も建設されている。東京は今、世界最大級のビジネスシテイーをめざしている。かつて丸の内は、皇居の景観に配慮してビルは高さが31mまでとされていた。そして街はダークスーツ一色の男性中心ビジネス街だった。しかしバブル崩壊によって街は閑散としてしまう。丸の内の大家と呼ばれるのが三菱地所である。その三菱地所に「丸の内再生プロジェクトがつくられた。女性視点も取り入れて商業施設も充実した街の計画がつくられた。そして求められたのがビルの建て替えである。しかしそこに「容積率1000%」という都市政策が障害となった。高層ビルは建てられないのだ。一方JR東日本の松田社長は、東京駅の大復元工事を計画する。費用をどうするか?そこで松田は三菱地所に、東京駅上空の容積を500億円で買ってくれないかと提示する。海外では採用されていた「上空権」すなわち空気を売って資金を得る方法である。東京都知事に石原氏が就任すると容積売買の承認と容積率の拡大が可能になった。その結果丸の内には現在高層ビルが立ち並ぶようになった。