日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

545.時刻表

 インターネットで時刻や経路や乗り継ぎなどが簡単に調べられる時代であるが、列車の旅で今も使われているのが「時刻表」である。作家の宮脇氏は時刻表を、「百年を超える日本鉄道史上に作り成された大交響曲」と言う。現在発行されている二大時刻表は、交通新聞社の「JR時刻表」と、JTBパブリッシングの「JTB時刻表」である。後者は1925年に日本旅行文化協会から「汽車時刻表」として創刊されたという歴史をもつ。現在発売中の4月号は1183円で約6万部出ているという。ネット媒体の広がりで紙媒体の時刻表には厳しい時代だ。思い返すに時刻表は、鉄道ミステリーになくてはならない。時刻表通りに発車し、時刻表通りに到着するというのが日本の鉄道の常識である。だからこそ鉄道推理小説がなりたつ。その代表作は松本清張の「点と線」であろう。時刻表の三大魅力は、(1)一覧性、(2)網羅性、(3)保存性、である。2019.04.24