日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

544.万葉集

 新元号「令和」の影響で「万葉集」に注目が集まっているらしい。万葉集は8世紀中ごろにできた現存する最古の歌集である。その編さん者の一人が大伴家持で、家持の父が大伴旅人である。新元号「令和」は、大伴旅人の邸宅で行われた「梅花の宴」で詠まれた和歌の「序文」が基になったとされる。万葉集は全20巻からなり、その約4500首余の歌は後の時代の模範となって和歌の歴史をつくった。外来の文字である「漢字」を用いて、自分たちのことばである「ヤマトことば」をいかに表すかの苦労から、日本文字の歴史が始まった。万葉集が生まれた奈良時代、日本は「漢字」「儒教」「仏教」「律令」といった中国文化を受け入れて、それを自分たちのものにすることに悪戦苦闘したことが予測される。