日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

543.雑穀、五穀豊穣

 日本では古来「五穀豊穣」は豊かさの象徴である。この五穀とは、日本人の暮らしを支えてきた米、麦、アワ、ヒエ、キビのことであるが、近年ではこの中の雑穀は消えていった。日本の雑穀生産はかつて今の1000倍以上もあった。1900年のアワ、ヒエ、キビの収穫量は全国合計で42万トンもあったが、2016年にはわずか314トンに減った。実はアワ、ヒエ、キビの輸入量は9000トンもある。その理由は、健康志向の高まりにある。食物繊維、ビタミンB1、マグネシウム、鉄分などは、コメや麦に比べて圧倒的に雑穀に多く含まれる。食物アレルギー問題にも有効だ。