日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

479.名古屋城本丸御殿

 名古屋城本丸御殿が完成した。2009年から9年半かけて復元された。元の御殿は、約400年前の1615年に徳川家康の命により建てられ、合わせて13棟からなる。玄関を入って、一の間、二の間は周囲を虎や豹の絵が取り囲んでいる。表書院は花鳥図が周りを囲む。上段の間は藩主が座につく場所で、その天井は黒うるし塗りの木を格子状に組み合わせ、金箔を押した天井板がはめこまれた見事なもの。中でもぜいを尽くしたのは、将軍家光の上洛に合わせてつくられた上洛殿である。その三の間にある襖絵、狩野探幽の「雪中梅竹鳥図」は、高く評価される作品である。ここは家光が一度泊まったきりで、その後は一度も使われなかったという。その上段の間は部屋を取り囲む彫刻欄間が見事である。色とりどりの鳥や花が彫られ彩色されている。彫刻復元は伊波の彫刻師たちが挑んだ。本丸御殿は名古屋城と併せて戦前に、城郭建築として国宝第一号に指定されたが、昭和20年の空襲で名古屋城天守も本丸御殿も焼け落ちた。ただ襖絵などは別の場所に移されて焼失を免れた。