日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

443.塩梅

 「塩梅」と書いて「あんばい」と読む。元々は食物に辛みをつける塩と酸味をつける梅の組合せの意味だが、やがて料理の味加減や物事の程合いや具合を示すようになった。塩と梅とは切っても切れない深い関係があり、その微妙な組合せが梅干しのできを決定する。梅はそのままでは食に適さないが、塩と一緒に加工することではじめておいしい食べ物になる。梅にとって塩の重要な役割は3つ。ひとつは「保存性」で塩漬けにすることで腐りにくくなる。二つ目は「味」で塩味は梅肉の酸味とうまく調和する。三つめは「加工性」で塩漬けにより梅の果汁が「梅酢」となって梅の形がくずれにくくなる。最近では、健康志向の高まりから、減塩して食べやすいように鰹節や昆布、蜂蜜などを加えた「調味梅干し」が多く出回るようになった。ただし減塩すると賞味期限は短くなるので注意が必要。梅干しには、血糖値上昇を抑え、便秘解消を助け、肝機能の働きを高めるなどの効果がある。