日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

358.腸内細菌との共生

 人の腸内には、1000種類以上の腸内細菌が約500兆~1000兆個も存在し、その重さは約1.5キロにもなる。これらの細菌は、病気を防ぐ働きもしている。アトピー性皮膚炎、花粉症、小麦アレルギー、1型糖尿病など、人の免疫系にかかわる病気や胃腸疾患が急増している。これらは21世紀病といわれる。実は抗生物質や抗菌剤などの過度な使用によって、腸内の共生細菌が減ったりバランスをくずしたりすることも、その原因であることがわかってきた。現代人は共生細菌をも悪者扱いして、過度な清潔を求めすぎてきた。赤ちゃんは胎児の間は無菌状態だが、産道を通るときに最近のシャワーを浴びる。そして母乳保育は赤ちゃんに微生物との健全な関係を構築させ、正常な免疫系を発達させるために重要なのだ。細菌たちとの共生は、人間の健康を保つための手段のひとつだ。