日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

357.イタリア ヴェネツィア

 アドリア海に浮かぶ水の都「ヴェネツィア」は、「水の都ベニス」とも呼ばれ、かつては海上交通で栄えて1000年も栄えたひとつの国であった。今は世界中からたくさんの観光客が訪れる。全長3キロの運河を中心にして、無数の小さい運河が網の目のように広がっている。「ヴェネツィア」は120の小さな島からなり、それらを483の橋がつないでいる。大小150もの運河を使った交通手段はゴンドラである。アドリア海の海岸に川が運んだ土砂によって、「ラグーナ」と呼ばれる潟がつくられ、そこに侵略を逃れた人々が5世紀頃に住むようになった。水深は平均1.5mでところどころに湿地がある。このラグーナに長さ10mもの丸太の杭を大量に打ち込んで、その上に建物そして街がつくられた。サンマルコ広場のシンボルは高さ98mにもなる鐘楼であるが、これは1902年に突然崩壊した。原因は軟弱地盤にあった。「ヴェネツィア」は今も洪水や地盤沈下に悩む。周辺では湿地や干潟が消失しつつある。