日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

342.ヒアリ、国内で発見

 国内の港などでヒアリが発見されて問題になっている。今年5月に初めて発見された。ヒアリの本来の生息地は南米アマゾンのジャングルである。しかし流通のグローバル化で人間がヒアリを別の地域に運んでしまった。アメリカには20世紀初めから増え始めており、ライバルがいない大陸で増殖を続けている。この小さなヒアリがアメリカ経済に、数千億円の被害を与えているという。オーストラリアでは2001年から増殖している。敵に対しては腹部先端の針を刺して毒を注入する。この針に刺されるとやけどのような痛みを感じるという。在来種アリよりも体は小さいが、攻撃的で在来種には負けることがない。実はアマゾンでは天敵のゾンビバエというのがいて、増殖は抑制されている。洪水になっても自らが集まって「いかだ」を形成し、流されて新たな地で増殖できる。

我々がヒアリを外来種としているが、1億年以上前からこの地球に生息している「ムシ」たちにとって、一番迷惑な外来種は「ヒト」であるといえるだろう。