日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

267.水産大手企業のビジネス

 水産大手企業は、かつて世界の海で自由に漁業ができる時代には「魚を捕る」ビジネスを展開していた。その代表が捕鯨であり、戦後食糧難の時代に貴重なタンパク源を国民に供給した。昔はクジラ肉が安かった。しかしその自由度はなくなり次に商社に脱皮した。世界各地の拠点で水産物を買いつけし、それを拠点工場で加工して販売する事業である。そこで生まれたのが「冷凍食品事業」であった。電子レンジの普及とあいまって冷凍食品の需要は高まった。マルハニチロ、日本水産、東洋水産、ニチレイなど。今水産大手企業は、新たに「育てる漁業」に力を入れている。2000年代に入ってからマダイやブリで先行し、今後はクロマグロの養殖で大きな飛躍をめざしている。