日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

59.ボールペン

 文房具のひとつで数本100円という低価格でも売られているボールペンですが、実は精密機械なのです。先端には金属又はセラミックの微小ボールがはめこ まれており、このボールが回転することでインクがペン先に送られて線を描くことができるのですが、先端加工には高度な技術が求められます。
 ボールペンは重力を利用しているので先端を上に向けて筆記することができないのを知っていましたか?歴史的には1940年にハンガリーのジャーナリストが、世界で初めて実用的なボールペンを開発したとされています。つまり70年ほどの歴史しかありません。
  国内ボールペンのシェアでは1位がパイロット、2位が三菱であるようです。ボールの直径は一般には0.7mmですが、0.18~1.6mmまで各種があり ます。ペン先にボールを入れてから穴の口を内側にすぼめてボールを閉じ込めますが、そのスキマは0.01mmです。油性ボールペン、水性ボールペン、ゲル インクボールペンの3種があります。ゲルタイプは水性インクにゲル化剤を加えることで、通常は粘度が高く筆記時に低粘度になる特性を与えて、濃くクリアな 文字を軽い筆圧で書けるようになっています。