日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

60.ガラスと光学機器

 金属を磨いた鏡はエジプトで紀元前2600年のものが見つかっています。紀元前700年にはイラクで水晶を研磨してレンズが作られ、太陽熱を集めるのに 使われたと推測されています。ローマ帝国時代には、ガラス工芸史上最も画期的な技術革新である「吹きガラス技法」が発明されました。この技法は今でも使わ れています。
 14世紀になってイタリアで無色透明のガラス製造技術が開発され、光学機器の発明につながっていきます。無色透明で硬質で汚れがつ きにくく薬品にも犯されず耐熱性のあるガラスができたことで、各種ガラス製品や光学機器は大きな進歩を遂げることになります。ガラスを磨いてレンズが作ら れ最初はルーペや眼鏡が開発されました。
 1590年にオランダのヤンセン父子が顕微鏡を発明しました。顕微鏡によって1665年にイギリスの フックは細胞を発見し、1674年にオランダのレーウエンフックが微生物を発見し、1882年にコッホが結核菌やコレラ菌を発見し、1894年に北里柴三 郎がペスト菌を発見しました。
 1608年にはオランダのリッペルスハイによって望遠鏡が発明され、翌年ガリレオは望遠鏡を用いた天体観測によって地動説を確信しました。1668年にニュートンが反射望遠鏡を発明します。1839年にフランスのダゲールが銀塩カメラの写真技術を発明しました。
 ちなみに「ほうろう」は金属の表面にガラス質の膜を形成したものです。