日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

702.オーストラリアの森林火災

オーストラリアの森林火災が過去最悪の規模に拡大している。豪州各地で昨年8月から相次いでおり、全土で日本の国土の約半分に当たる計1800万ヘクタール以上に延焼。33人が死亡し2700戸以上が焼失した。高い気温が続くなどして、乾いた木々に落雷や失火で引火したとみられる。大規模な森林火災は豪州にかぎらない。昨年はシベリアやアラスカのような北極地域の針葉樹林でも発生した。豪州気象局は、同国の2019年の平均気温が平年より1.5度高く、観測開始以来最も暖かかったと発表した。昨年9月から豪州の森林火災で排出された二酸化炭素は4億トン。森林は二酸化炭素やメタンの貯留庫であり、こうした温室効果ガスが火災で樹木や土壌から放出されると、温暖化が加速する。二酸化炭素については、オーストラリアの2018年の石炭輸出額は約5兆円規模で、発電の6割を石炭火力が占めている。そして石炭の一番の輸出先は日本である。2020.2.19