日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

701.木造建築が進化した

2020東京オリンピックのメイン会場建築も木材を多く使っているが、近年は住宅だけでなく学校や病院など公共建築でも木で建てる例が増えている。古来日本の木造建築で使われてきたのが「軸組み工法」である。1本の木から柱や梁を切り出し、互いに溝を彫ってかみ合わせる。職人の高度な技に頼ることになり、火災に弱く、強度に劣るとされていた。次に、手に届く値段の強い木造住宅をつくる方法として、「ツーバイフォー工法」が普及した。これは角材と板で中空のパネルをつくり、四方につなぎ合わせて住宅とする。北米の開拓民が使っていた方法だが、日本のハウスメーカーが工場でパネルをつくり、現場に運んで組むことで低価格化した。2010年に低層公共建築の木造化を促す法律が施行された。木板を3~5層縦と横に交差して貼り合わせたCLT技術を用いることで、強い大きな板材がつくれるようになった。欧州で開発されて5階建ての木造ビルなどが盛んにつくられている。2016年に日本でも使えるようになった。