日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

688.東京湾海底トンネル

東京湾に全長930mの海底トンネルが建設された。通常なら10年かかる工事をわずか4年でやってのけた。工事は016年に始まり総事業費1900億円、東京オリンピックにも活用される。工法は沈埋管を使うもので、これがトンネル工事の短期化を可能にする。あらかじめ地上でつくられた、トンネルを7分割したパーツ(沈埋管)を、水深20mの海底に沈めて接合させるという方法だ。全長134m重さ3000トンの巨大建造物である「沈埋管」を、船で曳いて目的の場所に移動し、バラストタンクに注水することで静かに沈めていく。ただ設置精度の確保が問題であり2センチ未満の精度で位置決めする。最後は潜水士の仕事になるが実は水中はにごりで見えにくい。2019年7月に最後の沈埋管が設置されてトンネルは1本につながった。東京周辺の「もの」であふれかえる生活を支える輸送網が求められて、このトンネルもその対策の一つになる。何でも東京に集まり過ぎて、東京はどんどん自然の形を変えていく。