日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

678.「動画」は変わる

私たちが見ている「動画」には、130年ほどの歴史がある。最初は「映画」だった。19世紀末にフランスのリュミエール兄弟がシネマトグラフを開発した。撮影したものをスクリーンに映写して見るタイプ。最初は無声映画だった。続いて現れたのがテレビ放送である。日本では戦後になってテレビ放送がスタートし、1960年にはカラー放送も始まった。当時の受像機は高価だったので人々は街頭テレビに群がった。こうしたテレビの地上波放送に衛星放送が加わり、放送はアナログからデジタルに発展した。こうした動画の世界を根本的に変えたのがインターネットの登場である。現在世界中で拡大しているのが、ネットを通じた「動画配信サービス」である。放送時間に縛られることなくいつでもどこでも見たいものを鑑賞できる。その世界最大手が米国のネットフリックスだ。サブスクリプション型と呼ばれる定額制の動画配信サービスで大きなシェアをもつ。世界190の国と地域に約1億6000万人の会員を有する。広告で収入を得る民放テレビ局と異なり、会員からの月額利用料で安定した収入がある。顧客の志向を見極め、見たくなる作品を次々と提供することが求められる。なお無料で見られるユーチューブという動画も増加している。