日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

677.「木炭」と炭焼き

今では一般家庭で木炭を使うことはほとんどないが、私の生まれた家では昔からずっと炊事や暖房などに木炭を使用していた。特にこたつ暖房の炭は便利だった。「木炭」とは、木材を蒸し焼きにして炭化させたもので、ほとんどが炭素からなる多孔質物質である。日本では古来、ナラ、ブナ、クヌギなどの広葉樹材料からつくられた。普通の黒炭の場合、炭窯で燃料の薪を燃やして温度を上げ、その後たき口を閉じて400℃あたりで熟成する。さらに煙道を閉じ炭窯全体を密閉して酸欠状態にして、時間をかけて自然冷却させてつくる。空気が入りすぎると燃えて灰になってしまうので、空気流入量の調整が難しい。煙突が長いことも重要だ。「備長炭」は白炭の一種でとても硬い炭である。高温にして炭素をきれいに並べて硬く、する。備長炭は炎があがらず遠赤外線が長時間出る。この硬い炭をつくるためには(1)うばめがしという硬い材料を使う、(2)炭焼きの温度は1000℃近くまで上げる(一般は400~700℃)。竹を用いた竹炭も人気があるらしい。脱臭剤として使われる。