日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

669.歯と骨の違いについて

歯の表面は人の体の中で一番硬いところであり、「エナメル質」といってリン酸カルシウムの一種の物質でできている。その硬さは水晶と同じくらい。そこに神経や血管は通っていないから感覚はない。エナメル質の内側には「象牙質」という部分がある。エナメル質より少し柔らかい。さらにその内側に「歯髄」があり、ここには神経があり血管も通っている。歯の根元はセメント質というものでおおわれている。人体の骨の成分は「象牙質」に似ていて硬さもほぼ同じ。大きな違いは、骨には血管が通っていて新陳代謝を繰り返し、常に新しい骨と入れ替わっていること。だから骨は折れても固定しておくと元通りにくっつく。一方歯は虫歯などで穴が開いても自然には治らない。虫歯の原因になる菌が歯髄に達すると、神経を刺激するので痛みが出る。虫歯菌は、食べた物の糖分を分解して酸を出す。歯は酸に弱い。