日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

666.電気自動車とインバーター

電気自動車の駆動モーターには、ネオジム磁石を使った永久磁石式同期モーターが多く使われる。ハイブリッド自動車でも使われている。このモーターは、低い回転から大きな出力を出すことができるので、エンジン自動車と比べると加速性能に優れることになる。リチウムイオンバッテリーからの直流電気でこの交流モーターを動かすには、インバーターによる電流変換が必要になる。インバーターは半導体素子を用いて、直流電気のON-OFFを短時間に何度も繰り返して交流波形をつくる。モーターの回転速度制御もインバーターが行っている。周波数が大きいほど回転速度は速くなる。電気自動車は充電が必要である。外部から取り込んだ交流電気を、直流に変換してバッテリーに充電するにもインバーターが活躍する。充電には夜間電力を用いると安くやれる。ただ充電には時間がかかるので、急速充電スタンドの普及が求められている。よく知られているように、モーターは発電機でもあるから、減速時やブレーキ作動時にモーターは発電機になって電気を生み出す。その電気はバッテリーに蓄電できる。これが「回生」技術である。