日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

659.レオナルドダビンチの絵

 16世紀はじめルネサンス初期のイタリアに、新しい芸術を生み出そうと活躍した3人の巨匠がいた。ミケランジェロ、ラファエロ、そしてレオナルドダビンチである。他の2人が100点近い作品を残しているのに比べて、レオナルドの場合その作品数はごくわずかである。当時の画家は自らの作品に署名を入れることはなかった。したがって言い伝えや文献や作風だけを頼りにして、本物の未発見作品を探し求めてきた。2年前に新しい発見があった。その作品は4億ドル(450億円)という人類史上最高額で落札された。「サルバトールムンディー」これは14番目のレオナルド作品本物であった。レオナルドの最高傑作「モナリザ」、そこでは彼の卓越した絵画技法によって、肌の透明感が表現されている。そして筆の跡は見られない。近年の解析により、絵の具を薄く何層にも塗り重ねることで表現されていることがわかった。レオナルドの作品は、実は膨大な手間と時間をかけて自分だけの技法を磨くための実験だったという見方もある。少なくとも「注文があって早く仕上げてなんぼ」という画家ではなかった。