日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

658.地球の大気

 地球表面をおおう大気の厚さは約100キロメートル、地球半径の60分の1しかない。その組成は、窒素が78%、酸素が21%、アルゴン0.9%である。大気全体から見れば二酸化炭素の割合は非常に小さいが、それでも地球温暖化に影響を与える。地球の隣にある金星や火星の場合その大気は、ほとんどが二酸化炭素である。大気の重さによる圧力が「大気圧」である。私たちの体には、常に1気圧の大気圧が加わっている。その大きさは、1平方センチ当たり1キログラムとかなり大きい。1気圧は通常1013ヘクトパスカルであるが、標高高度が上がると大気圧は小さくなる。例えば高度2400メートルでは770ヘクトパスカルほどに下がる。また高度が上がると気温は下がる。これは太陽に温められた地上から離れていくからということもあるが、高度が上がると気圧が下がり、気圧が下がれば空気は膨張するので温度が下がるというのが大きな原因である。大気圧の大きさを実感できる実験がある。ドラム缶に少しだけ水を入れ薪で熱して沸騰させて内部を水蒸気で満たし、そこでふたをして密封させてからこれにホースで水をかけるというもの。水蒸気が水に戻り、大気圧でドラム缶は押されて「ボコッ」とつぶれてしまう。