日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

657.「近視」は目の生活習慣病

 子どものうちに強度の近視になる人が増加していることが問題になっている。また大人になっても近視が悪化する人も増えている。通常の眼球では、目に入ってきた光が網膜で焦点が合う。近視になると眼球が前後方向に長く伸びて、焦点が合う位置がずれてくる。多くの人は20代前半でその進行は止まる。眼球が伸びすぎると網膜がキズついて視野が欠けたり、緑内障にもなりやすい。視力や視野が認知症とも関係することがいわれてきた。現在日本では視力1.0未満の子どもたちが増加し、平成30年では小学生34%、中学生56%、高校生67%もいる。スマホやパソコンなどを近い状態で見続けることも要因とされる。世界で最も近視の割合が高い国のひとつがシンガポールだが、その国立眼科センターで近視の進行を抑制する目薬が開発された。アトロピンといって日本でも試験が始まった。明るさ1000ルクス以上の光を、週に10時間以上浴びると近視になりにくいというデータもある。この明るさは屋外でないと実現できない。そういえば昔の子どもはいつも外で遊んでいた。