日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

555.ツタンカーメンの秘宝

 5000年前に始まり3000年間続いたのが古代エジプト文明である。そこで神の化身とされた王たちはファラオと呼ばれた。最盛期に王国を率いたファラオがツタンカーメンである。ツタンカーメンのミイラがかぶっていた「黄金のマスク」は人類史上最高の宝として有名だ。だがツタンカーメンの墓に眠っていたのは4000点を超える秘宝で、ミイラは大量の黄金とともに眠っていたのだ。カイロから500キロ南にある「王家の谷」は歴代ファラオたちが眠る場所である。そこで約100年前にイギリスのハワード・カーターが世紀の大発見をした。ついにツタンカーメン王墓の入り口を見つけ、17年をかけて調査した。墓は4部屋からなり前室には黄金の輝きをもつ玉座、ベッド、厨子、戦車など大量の副葬品が見つかる。玄室には長さ5.4mの巨大な箱(厨子)があった。第一の厨子の中には第二の厨子、その中に第三の厨子、さらに第四の厨子、いずれも金箔に文字や絵や浮彫がある。第四の厨子の中に石棺があり、その中からは人型の棺、そしてこれも第一の人型棺の中に第二の人型棺、さらに第三の人型棺があった。第三の人型棺は全身が純金製で1枚の黄金板をたたいてつくられていた。使われた金は110キロにもなる。第三人型棺から見つかったのが「黄金のマスク」である。エジプトの大量の黄金の供給地は、ナイル川上流スーダンとの国境近いヌビアであった。ヌビアでは毎年250キロもの金がとれた。