日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

489.人体の秘密(2)

 脳の下垂体から生涯にわたって成長ホルモンが放出される。特に子供時代には、血流にのって全体をかけめぐり大きな効果を発揮する。成長ホルモンは肝臓を刺激してインスリン成長因子を生成させる。その結果筋肉と軟骨細胞が増殖して、子供の身長を伸ばすことになる。子供時代には脳細胞をつなぐシナプスもどんどん形成される。脳の重量は体重の2%にすぎないが、一日のカロリー摂取量の20%を必要とする。特に成長期には40%が脳に回される。人体を構成する何兆個もの細胞は、「死」と「再生」を繰り返している。人体の細胞で入れ替わりがないのは、眼球の水晶体など一部だけで、大部分は絶えず新しいものに入れ替わっている。外皮膚は毎月新しいものと入れ替わる。人体は常に修復とメンテナンスを必要とするのだ。肺の内表面は絶えず損傷している。外気が肺の粘膜を常に傷つけるので、2週間ごとに細胞を入れ替える必要がある。胃の粘膜も2~9日で入れ替わる。人体のほとんどの細胞は分裂する能力を持っていない。特殊な細胞「幹細胞」に増殖する能力があり、人体のあらゆる細胞を補充する。赤血球は3か月で死んでしまうが、骨の中にある骨髄で絶えず新しい赤血球がつくられている。