日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

481.鉛筆と消しゴム

 鉛筆の芯は、「黒鉛」と「粘土」を混ぜ合わせ1000℃以上で焼き固めた後、油に浸してつくられる。紙に鉛筆で文字を書くと、芯の黒鉛粒子が紙の表面繊維にこすりつけられ、そこに並んで付着した状態になる。鉛筆の芯は、紙の表面にある微細な凹凸によって削られる。鉛筆はHやBなど17種類の硬さがある。やわらかいものほど黒鉛の割合が高くなる。一方現在の消しゴムは、「塩化ビニル」というプラスチックと可塑剤を混ぜ合わせてつくられている。紙の表面に並んだ黒鉛粒子は紙の繊維よりも消しゴムの方に付着しやすいので、消しゴムで紙をこすれば黒鉛粒子は消しゴム側に移動する。消しゴムは使った部分が剥がれ落ちて常に新しい面が現れるという特徴をもつ。鉛筆と似たものに「色鉛筆」がある。色鉛筆の芯は「顔料」と「ろう」を混ぜ合わせて固めることでつくられる。この顔料やろうの粒子の場合は、紙の繊維のスキマに浸透するので、鉛筆の場合と異なり消しゴムではきれいに消すことができない。