日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

464.キヤノンのカメラ

 2018年5月、キヤノンが創業から80年間続けてきた「フィルムカメラ」の出荷を停止した。最後まで残ったのがEOS-1v。カメラ好きな青年吉田五郎が国産高級カメラを作りたいと思い、ライカⅡ型を手に入れて分解し国内生産も可能と判断。義弟の内田三郎に相談して1933年、東京六本木に「精機光学研究所」を立ち上げカメラ研究を開始したのが「キヤノン」の始まりである。1936年に国産初の35ミリフォーカルプレーンシャッターカメラ「ハンザキヤノン」を発売した。1937年には「精機光学工業(株)」を設立。その際監査役になったのが、産婦人科医師の御手洗毅であった。御手洗は胸部検診のためのX線カメラ国産化を考えて1939年取締役に就任。1941年にはX線カメラを製品化し、翌年御手洗が代表取締役社長になった。御手洗は高性能カメラの国産化推進を強く思い、医師免許を返上して覚悟を決めた。1947年にキヤノンカメラ(株)に社名変更。