日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

460.水虫の話

 一度かかるとなかなか完治しにくいとされる「水虫」は、正式には「足白せん」と呼ばれる病気である。白せん菌が皮膚で増殖することで引き起こされる。白せん菌はカビの仲間である。白せん菌は自身の成長や子孫を残すために皮膚を必要とする。それは、白せん菌が皮膚に含まれる「ケラチン」というたんぱく質を分解することで、栄養源となる窒素を得ているからである。皮膚表層の角質層に白せん菌が入り込むと「皮がむける」「水ぶくれになる」「かゆみが出る」といった症状が出る。これらは皮膚の炎症による。白せん菌はヒトの皮膚からはがれ落ちた「あか」の中でも一定期間生存できる。こうした「あか」を踏んで白せん菌に接触することで感染が起こる。プールや温泉などでこうした現象が起こりやすい。なぜなら高湿度環境が必要だから。つまり白せん菌が付着しても、足を乾燥させることによって感染は防止できる。白せん菌は足以外の皮膚にも感染し、水虫と同様の症状になる。水虫は、抗真菌薬を一定期間塗り続けるとか、飲み薬を飲むことで完治できる。