日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

457.ネアンデルタール人

 我々の祖先ホモサピエンスにとって最強で最後のライバル、それが「ネアンデルタール人」であった。かつて私たちは「現在のヨーロッパ人の祖先がネアンデルタール人である」と教わったが、それは誤りだった。30万年前先にアフリカを出てヨーロッパで独自の進化をとげたのがネアンデルタール人である。その10万年後にアフリカで誕生したのがサピエンスである。やがてサピエンスもアフリカを出る。そして中東地域でサピエンスはネアンデルタール人と出会う。両者は約1万年間にわたり同じ土地で暮らし、ライバルとして地球の覇者の地位を争うことになる。屈強な体と高い知能を持っていたネアンデルタール人だが、あるときこつ然と姿を消して絶滅してしまう。サピエンスとネアンデルタール人は、同じ祖先から全く別の場所でそれぞれ進化した人類であった。ただサピエンスの方が道具の革命を起こし、大きな集団をつくって社会を形成し情報を拡散する力を有していたらしい。最新の調査結果では、アフリカの人たちを除いた現在のわれわれ人類には、約2%のネアンデルタール人のDNAが含まれているという。