日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

395.ティッシュペーパー

 ティッシュペーパーも他の紙と同じく原料は「パルプ」である。パルプの繊維成分は実は細長い細胞の「細胞壁」である。この細胞壁はセルロースが束になったもので、非常に丈夫である。パルプを水に混ぜ繊維を水の中で分散させた後、網に載せてろ過し乾燥させる。このときより薄く広げることで薄いティッシュペーパーをつくることができる。繊維同士は水の表面張力で密着し、さらに水素結合でくっついてティッシュができる。トイレットペーパーは水に触れると、繊維どうしの水素結合が切られて紙の強度が低下するので、トイレに流すことが可能になる。一方ティッシュペーパーは、製造過程で「湿潤紙力増強剤」が入れられるので、簡単には水で強度低下しない。特にやわらかいティッシュの場合は広葉樹の繊維を多くする。保湿ティッシュはグリセリンやエチレングリコールを含ませることで、ティッシュの水分含有量が多くなる。