日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

392.雪の科学館

 雪の季節がやってきた。石川県加賀市には「雪の科学館」がある。人口の雪の結晶を世界で初めてつくった地元出身の物理学者である中谷宇吉郎を紹介する施設である。「雪は天から送られた手紙である」は、宇吉郎の名言として知られる。宇吉郎は東京帝国大学時代に寺田虎彦に教えを受けている。宇吉郎は北海道帝国大学に在任していた1930年代、雪の結晶の顕微鏡写真をチームで3000枚も撮影し、「針状」「角柱」など41種類に分類した。これらはどんな条件で生成されるのかを調べるため、零下50度まで下がる常時低温研究室で、1936年ついに世界で初めて雪の結晶をつくることに成功した。さらに水蒸気量と気温によって結晶の形が変わることを解明して、「中谷ダイヤグラム」を完成させた。著書に「雪」「冬の華」などがある。1962年61歳で死去。