日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

375.ジアゾコピー(青焼き)

 私が東北リコーに入社したころ、コピーといえば「ジアゾコピー」であった。これは青焼きとも呼ばれコピーされた用紙表面は青っぽくなっている。このジアゾ複写方式は1920年にドイツで発明された。これは紫外線照射を用いるもので、それ以前にあった「青写真」よりも耐久性に優れた。1951年に世界初の事務用ジアゾ複写機が、丸星機工(後のコピア)によって商品化された。陽画感光紙を作っていたリコーも、ジアゾ複写機に参入し、リコーが最初に発売したのは1955年のリコピー101である。1963年にはジアゾコピー機の国内生産台数が10万台を超えた。等倍再現精度が高く大判の複写に適していたので、特に図面のコピーには後々まで利用されていた。リコーは湿式、乾式ともに豊富な機種と技術革新でジアゾコピー機の最先端を進み、「リコー」はジアゾ複写機のトップブランドだった。透明又は半透明の原稿とジアゾ感光紙を重ね合わせ、両者を密着させた状態で原稿側から紫外線を照射し、紫外線が通過した非画像部は無色の化合物になる(露光)。これを次の現像工程に通すと、画像部が青色になって画像が形成されるというのがジアゾ複写の原理である。ただ原稿は光透過性が必要とされたので、非常に薄い用紙やトレーシングペーパーなどに限られていたし、用紙は専用のジアゾ感光紙を必要とした。私たちが設計製図するの用紙は、方眼トレーシングペーパーであった。