日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

310.電卓「カシオ」の4兄弟

 カシオといえば、電卓や時計カメラなどで有名な企業である。実はこの社名「カシオ」は人名「樫尾」からきている。戦争中に8畳1間に8人家族で暮らしていた樫尾家。旋盤工をやっていた長男忠雄氏が1946年に、金属加工業「樫尾製作所」を設立した。次男俊雄氏、三男和雄氏、四男幸雄氏を含めた4兄弟が力を合わせて「電卓のカシオ」をつくりあげた。アイデアマンの次男俊雄氏が新商品を開発、機械に強い四男幸雄氏が製造をして、活発な三男和雄氏が販売を担当、経営と経理はまとめ役の長男忠雄氏が担当した。外国産の高価な計算機しかなかった時代に、町工場が国産で高性能な電気式計算機に挑戦し、1957年に小型純電気式計算機14Aを完成させた。大きなヒットが1972年発売の「カシオミニ」であった。