日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

339.丸森線と阿武隈急行

 明治時代、今の東北本線で福島から槻木までのルートとしては、丸森を通る阿武隈川沿いのルートが有力とされていた。現在の阿武隈急行線ルートである。しかし実際にはこのルートは採用されず、白石と越河を通る現在のルートが採用され、理由はどうあれ、角田と丸森は置いてきぼりになった。白石を通るルートは急な登りが課題とされたが、交流電化が完成して可能になったのだ。1968年になって槻木―丸森間が非電化で開通して、「丸森線」として暫定的に開業した。しかし丸森―福島間の線路建設は中止になり、「盲腸線」と呼ばれた丸森線は赤字を増加させていった。昭和46年には国内有数の赤字路線となった。1981年ついに「廃止」が承認されたのである。そこで福島・宮城両県は、第三セクター「阿武隈急行株式会社」を設立し、阿武隈急行線を開業させ、1988年についに福島―丸森間も開通したのである。着工から24年でようやく全線開通になった。