日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

35.音楽の記録と再生技術

 歴史的に見て音楽を記録・再生する技術のスタートはオルゴールであったと思いま す。最初はシリンダー式オルゴールでスタートしましたが、やがてディスク型オル ゴールが登場して、ディスクの交換によっていろいろな音楽を楽しめるようになり ました。
  オルゴールからさらに発展したものが、自動演奏装置です。これはいろいろな楽器 を、記録紙に設けられた孔に合わせて自動演奏するという大掛かりな装置です。 1857年フランスのスコットが、回転するシリンダー表面に音の振動を記録すること に成功しました。そして1877年になってついに、エジソンが実用的なシリンダー式 のレコードを発明します。これが「フォノグラフ」です。
  1887年にベルリーナが円盤レコードを発明しました。まさにオルゴールと同じ流れですね。円盤レコードは大量生産が可能なことから、レコード(SPレ コード)と蓄音機が広く普及することになりました。1948年には大盤のLPレコードも登場します。日本では1959年からレコード大賞が始まりました が、今ではこの名称も時代に合わなくなりました。
レコード盤もレコードプレーヤーもすっかり過去のものになってしまいました。それは1980年代から進んだデジタル化によって、1982年にコンパクト ディスクCDが発売されたことに端を発します。そして1988年には、CDの売り上げがレコード売り上げを追い抜きました。今では音楽はデータ圧縮されて インターネットで配信されるまでになっています。