日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

36.温度の話

 温度が高いということは物質の分子運動が激しいことを示しています。正確に言えば温度が高いほうが速度(運動エネルギー)の大きな分子の存在確率が多く なると言うことであり、統計学の考え方が入るようです。温度が高いところから温度が低いところへ熱が移動して、同じ温度になったらそこで平衡状態になりま す。
 1742年にセルシウスは、1気圧下で水の凝固点を0、水の沸点を100としてこの間を100等分する温度t(単位℃)を定めました。通常私たちが「温度」として使っているのは、こちらですね。
 1848年にケルビンは、物質の特性に依存しない絶対温度T(単位K)を提示しました。
 ここでT=t+273.15とされます。温度には下限が存在することがわかっており、それが「絶対零度」です。これは物体の熱運動が最小になる(ゼロではない)温度とされています。一方、温度に上限があるかどうかは明らかになっていません。
  この宇宙に自然にある最低温度は約2.7Kで、南極の極寒は約180Kだそうです。しかし人類の最新技術では、100億分の数Kという絶対零度に近い温度 を作出せるといいます。一方、太陽の中心部は約1500万Kですが、人類が人工的に作り出した最高温度は約4兆Kだそうです。人類の力は驚きです。