日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

763.新型コロナ感染死者数

 今回の新型コロナウイルスでは、日本を含む東アジア地域の人口当たり死者数が、欧米に比べて非常に少ないことが驚きとされている。人口100万人当たりの感染症死者数では、世界平均が約60人であるが、ベルギーは800人以上、スペインとイギリスは600人以上、イタリアとスウェーデンが500人以上、フランス450人以上、アメリカとオランダは350人以上と特にヨーロッパ地域で数値が大きい。一方でフィリピン
は10.5人、インド9.6人、インドネシア8.9人、日本7.5人、韓国5.5人、シンガポール4.4人、中国3.2人、タイ0.8人、台湾0.3人と、東アジア地域では死者数が少ない。両者の差はどこからくるのか?東アジアでは、(1)以前からマスクをする習慣がある(2)ハグやキスなど体を接触する挨拶がない(3)室内では靴を脱ぐ(4)肥満や生活習慣病の程度が低い(5)自粛要請に応える従順な国民性がある(6)結核予防ワクチンBCG接種率が高い、などが挙げられているが、もしかしたら遺伝子の差異があるかもしれないという。詳しいことはわかっていないが、それぞれの地域で感染症と戦ってきた歴史が、人体に残されている可能性があるというのは、とても興味深い。2020.7.8