日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

721.ササニシキとコシヒカリ

かつておいしい米の代名詞だったのがササニシキである。ササニシキは宮城県大崎市の古川農業試験場で1963年に誕生した。既存米より収穫量が多いうえに味もよいのでたちまち人気になった。1985年には作付面積でコシヒカリに次ぐ第2位に躍進する。しかし1993年に状況は一変する。歴史的大凶作で宮城県の作況指数は37に落ちる。この壊滅的被害を受けたのがササニシキだった。以来コシヒカリとその子孫たちの躍進で、ササニシキは今ではベスト20にも入らない。1956年に誕生したコシヒカリは40年間、作付面積全国1位の座を維持する。そして作付面積ベスト10に並ぶ全品種が、コシヒカリとその遺伝子を受け継ぐ子孫たちである。2018年の品種別作付面積では、2位:ひとめぼれ、3位:ヒノヒカリ、4位:あきたこまち、5位:ななつぼし、と並ぶ。