日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

684.ダイヤモンドの話

ダイヤモンドは炭素だけで構成され、地球内部の超高温・超高圧下の環境でつくられる。紀元前に人類が初めてダイヤを見つけた場所はインドとされ、18世紀初めまではインドが唯一の産出国だった。しかし18世紀にブラジルで、19世紀に南アフリカで大鉱脈が発見された。そのころダイヤ原石の9割近くは、英国や南アフリカなどに拠点を置く業界の巨人「デビアス社」が支配していた。デビアス社が日本市場開拓に用いたキャッチフレーズが「婚約指輪は給料の3か月分」である。南アフリカで1877年に採掘されたのが、映画「ティファニーで朝食を」の広告でオードリーヘプバーンが身に着けていた、世界最大級の128.54カラットのイエローダイアモンドである。今はニューヨーク五番街のティファニー本店に飾られている。現在はロシアが天然ダイヤモンド世界生産の3割を占め、その9割はロシア極東のサハ共和国で産出される。永久凍土に巨大な採掘穴があけられる。1トンの岩石から多い鉱山でも1グラム程度のダイヤモンドしか出ないが。現在では「人工ダイヤ」が主に工業用につくられているが、この「ラボダイヤ」と「天然ダイヤ」の区別は肉眼では見分けられないという。