日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

615. 「金魚」の話

 夏祭りなどの屋台では金魚すくいが見られる。「金魚」は人がつくった魚である。金魚の先祖は、中国で千数百年前に見つかった突然変異の赤いフナであるとされる。新たな特徴をつくるための交配の繰り返しや突然変異の固定化によって、多様な品種が生み出されてきた。1回の産卵で数百から数千個の卵を産むが、人間が厳しく選別することで品種の特徴を維持している。フナに戻ろうとする性質を持つからである。日本には約500年前の室町時代に中国から、大阪堺に金魚が伝わったのが最初とされる。産地として有名なのが奈良県大和郡山市である。だが娯楽の多様化や少子化で金魚離れが進んでいる。金魚すくいでおなじみなのは、日本に伝わった最初とされる「和金」である。長い尾びれが印象的な「琉金」は江戸時代に中国から琉球経由で伝わった。頭部に肉こぶをもつのが「ランチュウ」。新しい品種を生み出そうとしている愛好家も多いらしい。実は我が家にも10年くらい前に20円くらいで買った金魚がいて大きくなってしまった。2019.8.28