日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

577.乾電池の話

 1868年にフランスのルクランシェが、現在の乾電池の原型となるものを発明した。正極に二酸化マンガンを、負極に亜鉛を用いて、電解液として塩化アンモニウム水溶液を使ったものである。ただ液体を使用していることから、使う上では制約があり不便であった。1888年にドイツのガスナーは、ルクランシェ電池の欠点を解消する新しい電池を開発した。正極の二酸化マンガンに炭素粉末を加え、塩化アンモニウム水溶液は石こう粉末を混ぜてペースト状にした。これで電池を横にしても液こぼれの心配はなくなった。ダイナマイトの発明を思い起こさせる。これが現在の「マンガン電池」である。現在市場において使われている乾電池には、「マンガン電池」と「アルカリ電池」とがあり主流は後者になっている。アルカリ電池は、電解液に水酸化カリウムを使用しており、これが強アルカリなので「アルカリ電池」と呼ばれる。アルカリ電池はマンガン電池に比べて約2倍長持ちする。ちなみに乾電池のサイズは、単一から単四がよくしられるが、実は単六型まである。2019.06.22