日本技術士会東北本部

文責 : 東北本部技術士 佐藤

563.ブラックホール

 この宇宙においてとても不思議な存在、それが「ブラックホール」である。死の天体といわれ何物をもとらえる強い重力を有し光ですらそこから逃げられない。このたびそのブラックホールが写真でとらえられ、ニュースになった。ブラックホールの近くに来た光はその重力で曲げられて地球に届く。もっと近くの光はブラックホールの中に落ちてしまい出られない。見えないはずのブラックホールが見えたのは、周囲の光の影をとらえたからである。ブラックホールは、相対性理論を使って、物理学者のシュワルツシルトが第一次世界大戦の従軍中に予言したというからすごい人だ。しかしあまりに奇妙なのでアインシュタインすら、これを信じなかった。約5500万光年離れた場所に、太陽の65億倍の重さを持つブラックホールがあると考えられていた。地球上のたくさんの電波望遠鏡を組み合わせて高解像度を実現し、ブラックホールの写真撮影に成功した。それにしても「宇宙」とは、想像をはるかに超えた不思議な存在だ。